【ものづくり補助金】補正予算でものづくり補助金が拡充・延長されます

2023/01/23

令和4年度2次補正予算が成立したことにともない、多くの中小企業が設備投資で活用している「ものづくり補助金」について令和6年まで公募が継続することが決定しました。
ものづくり補助金は事業再構築補助金と似ている部分があるものの目的が違うため、必ずしも新型コロナの影響で売上が下がっていない場合でも活用でき、主に設備投資やシステム開発などを支援してくれる補助金となります。
今回、補助事業終了後3~5年で①給与支給総額年平均6%増加 かつ ②事業場内最低賃金を毎年45円以上引上げという大幅な賃上げに取り組む事業者への支援として、補助上限を100万円(従業員5人以下)~1,000万円(従業員21人以上)上乗せする措置がとられます(回復型賃上げ・雇用拡大枠を除く)。要件未達の場合は上乗せ分の返金が費用になるためしっかりと計画した上で活用して行きたいところです。以下、具体的な枠を見ていきます。

通常枠

新製品・新サービス開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資および試作品開発を支援する枠です。補助率は1/2(小規模事業者や再生事業者は2/3)、補助上限は従業員5人以下が750万円、6~20人が1,000万円、21人以上が1,250万円となります。一般的によく使われる枠になります。

回復型賃上げ・雇用拡大枠

前年度の課税所得がゼロである事業者が、賃上げ・雇用拡大に取り組む革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資などを支援する枠です。補助率が2/3に上がり、補助上限は通常枠と同じです。通常枠と比べて採択率が高めになるものと見込まれます。※大規模な賃上げの補助上限上乗せはありません。

デジタル枠

DXに資する革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資などを支援する枠です。補助率が2/3に上がり、補助上限は通常枠と同じです。通常枠と比べて採択率が高めになるものと見込まれます。業務フローその者の見直しを伴わないものや、単なるアナログ・物理データの電子化にとどまるものは残念ながら対象外となります。

グリーン枠

温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、革新的な製品・サービス開発または炭素生産性向上をともなう生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な、設備・システム投資を支援する枠です。補助率は2/3で、以前からあるスタンダード類型以外に、エントリー、アドバンスの類型を新設し、従業員の規模ごとに、750万円~4,000万円の範囲で補助されます。

グローバル市場開拓枠

海外事業の拡大等を目的とした設備投資を支援する枠です。海外市場開拓(JAPANブランド)類型では、海外展開にかかるブランディング・プロモーション等にかかる経費も支援します。補助率は1/2(小規模事業者、再生事業者は2/3)、補助上限は3,000万円となります。従来は補助下限が1,000万円であったところ、100万円に引き下げることで多くの事業者が使いやすくなる対策がとられます。

いかがでしたでしょうか。これまで長い間活用が続いているものづくり補助金ですが、今後も継続が決まったことで、引き続き多くの中小企業での活用が見込まれます。事業再構築補助金と比べて補助上限が小さいように見えてしまうため、意外と狙い目の補助金と考えることもできます。実際に活用する際は、詳細について必ず公募要領をご確認ください。

著者:西内 孝文(にしうち たかふみ)

税理士・特定社会保険労務士・中小企業診断士・特定行政書士・CFP(R)の複数の資格を活用してワンストップで課題を解決できるユナイテッド・アドバイザーズグループを主宰。補助金・助成金等の支援では、着手金無しの業務報酬後払制により支援を行っており、成果にコミットした支援を行っている。

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