【事業再構築補助金】多くの方にご利用頂けるよう改正されます

2023/01/16

新型コロナの影響で売上が下がっている事業者を支援する目的の大型補助金である「事業再構築補助金」が、2022年12月2日に令和4年度第2次補正予算が成立したことに伴い2023年以降も継続されることが決定しました。これにあわせて、これまでの新型コロナ・物価高騰等により業況が厳しい事業者の支援のみならず、「大胆な賃上げの支援」「グリーンを含む成長分野への再構築、規模拡大の促進」「市場規模が縮小する業種・業態等からの転換の支援」の為の新しい枠が新設され、売上が減少していな方も申請が可能な補助金に進化することになります。これまで活用できなかった方にとっても、活用の可能性が大きく広がる改正になりますので、今後も目が離せません。

成長枠

成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者向けの枠で、2,000万円~7,000万円(他の枠を含めて補助上限は従業員規模で変わります)まで、事業再構築に伴う建物費、機械装置・システム構築費、研修費、廃業費等など対象経費の中小企業は1/2(中堅企業は1/3)を補助してもらうことができる枠です。
この枠は売上減少がない事業者でも申請が可能になりますので、多くの方に活用いただける枠になります。成長分野の範囲など各項目の詳細については後日公募要領の発表までに公開される予定です。
また、補助事業終了後3~5年で中小企業から中堅企業等にまで規模を拡大する場合には補助上限が2倍に引き上げられ、継続的な賃上げ及び従業員の増加に取り組む事業者向けには補助上限が3,000万円上乗せされます。補助事業期間内に賃上げ要件を達成した場合は、補助率を中小で2/3、中堅で1/2に引き上げる措置も準備されています。

グリーン成長枠

研究開発・技術開発又は人材育成を行いながらグリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題解決に資する取り組みを行う事業者向けの枠で、要件を緩和した「エントリー類型」が新設されました。中小企業は4,000万円~8,000万円(従業員規模による)まで補助率1/2、中堅企業は1億円まで補助率1/3で補助してもらうことができる枠です。以前からある中小企業が1億円まで、中堅企業が1.5億円まで支援してもらえる枠は「スタンダード類型」として継続します。いずれの類型も売上が減少していなくても申請可能です。
また、上記成長枠に適用される補助上限の上乗せや、補助率の引き上げ措置についてはグリーン成長枠にも適用されます。

産業構造転換枠

国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者向けの枠で、2,000万円~7,000万円(従業員規模による)まで、中小企業は対象経費の2/3(中堅企業は1/2)を補助してもらう事ができる枠です。廃業を伴う場合は補助上限に2,000万円が上乗せされます。

サプライチェーン強靱化枠

海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取り組みを行う事業者向けの枠で、最大5億円まで、中小企業は対象経費の1/2(中堅企業は1/3)を補助してもらう事ができる枠です。

物価高騰対策・回復再生応援枠

業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者向けの枠で、1,000万円~3,000万円(従業員規模による)まで、中小企業は対象経費の2/3(中堅企業は1/2)を補助してもらう事ができる枠です。一部の事業者は補助率が最大3/4(中堅は2/3)まで上がる予定です。

最低賃金枠

最低賃金の引き上げの影響を受け、原資の確保が困難な特に業況の厳しい事業者向けの枠で、500万円~1,500万円(従業員規模による)まで、中小企業は対象経費の3/4(中堅企業は2/3)を補助してもらう事ができる枠です。

いかがでしたでしょうか。これまで売上があまり下がっていないため申請できなかった方も、事業再構築補助金で思い切った事業再構築を支援していただけるようになりますので、今後の事業展開を考える際に是非ご検討頂ければと思います。詳細は必ず公募要領をご確認ください。
資金調達ナビ「資金調達手段を検索」でも最新情報が発表され次第、更新を行います。

著者:西内 孝文(にしうち たかふみ)

税理士・特定社会保険労務士・中小企業診断士・特定行政書士・CFP(R)の複数の資格を活用してワンストップで課題を解決できるユナイテッド・アドバイザーズグループを主宰。補助金・助成金等の支援では、着手金無しの業務報酬後払制により支援を行っており、成果にコミットした支援を行っている。

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