補助金は何度も・いくつも、もらえる?
一度だけではもったいない補助金活用のススメ

2023/06/08

新型コロナの影響で、補助金の予算が大きく増額されたことから、補助金をもらった経験がある会社や事業主の方が一気に増えました。補助金の申請にあたり、慣れない事業計画の作成や電子申請の手続き、資料の収集、採択・交付決定後の実績報告の手続きなど大変な思いをした方も多いと思いますが、実は多くの補助金で共通したルールも多く、一度経験したことがある手続きは、2回目以降比較的スムーズに行う事ができるようになります。
せっかく事業計画を作成して実績報告までできるようになったのであれば、他の補助金や再度別事業で申請経験のある補助金を申請しないのはもったいないのではないでしょうか。実際、多くの方が複数回補助金を活用し、事業を大きく伸ばしています。その活用のコツをお伝えします。

同じ取組に何度も補助金受給できる?

補助金のルールとして、同じ会社や事業主が、同じ取組や同じ補助対象経費を複数の支援制度で補助してもらう事は禁止されています。もともと補助金は補助対象経費として使った経費の一部を補助するという制度ですので、同じ補助対象経費を複数の支援制度で支援してしまうと、経費を使えば使うほどお金が増えてしまい、不適切な利用となってしまうためです。
逆を考えると、別会社や別の事業主であれば、経費の重複もなく、問題なく補助金を受給することが可能です。「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」等一部の補助金のように、同一のグループ企業内での申請は1件までしか認めないという制限がもうけられたものもありますが、それ以外の補助金については、特段制限がなく、会社や事業主ごとに、それぞれ申請が可能になっているものが多く存在します。複数の会社を経営されている方も多いので、検討漏れがないようご注意ください。
なお、ルールは公募回ごとに変わりますので、必ず申請予定の補助金の最新の公募要領をご確認ください。

過去に採択された補助金も申請できる?

例えば小規模事業者持続化補助金の申請の際に、過去に採択を受けたかどうか記載する項目や、過去に採択を受けた事業との違いについて記載する項目があります。IT導入補助金2023についても過去に採択を受けたかどうかを記載する項目がありますので、過去に採択を受けていたとしても再度申請が認められているように見えますが、皆さんはどのように考えますか。
実は、これらの補助金は一定の時間(おおむね1年)をあければ再度使える補助金です。そのためにこのような記載箇所が準備されているのです。さすがに過去に補助金をもらったときと同じ取り組みや、同じ補助対象経費での申請は難しいですが、何か新しい取り組みで新たに活用するのは全く問題ありません。とはいえ、過度な集中による不公平を防止するため、過去に採択を受けている方には若干の減点措置がありますが、致命的な減点ではないことが確認できており、実際に何度も採択されている方も多くいらっしゃいます。

いかがでしたでしょうか。せっかく中小企業の方々に活用していただく目的でたくさんの補助金等の支援制度が準備されていますので、新たな事業や新たな取り組みで活用できるのであればぜひご活用いただき、効果的に事業を伸ばして頂ければと思います。徐々にリピートが難しくなる方向に改正がされてきている経緯がありますので、早めの活用が良いのではないかと思います。

西内 孝文(にしうち たかふみ)

税理士・特定社会保険労務士・中小企業診断士・特定行政書士・CFP(R)の複数の資格を活用してワンストップで課題を解決できるユナイテッド・アドバイザーズグループを主宰。補助金・助成金等の支援では、着手金無しの業務報酬後払制により支援を行っており、成果にコミットした支援を行っている。

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