起業家に多くのメリット ~注目の特定創業支援事業~
2023/08/03
特定創業支援事業という制度をご存じでしょうか。令和4年12月現在で、全国1,459市区町村のうち1,301件の市区町村で特定創業支援事業による支援を受けることが可能となっており、これを受けた証明書を取得することで様々なメリットがありますので、詳細を確認していきましょう。
特定創業支援事業のメリット
- 1.小規模事業者持続化補助金の「創業枠」が使えるようになります。
- 特定創業支援事業を受け証明書をもらうことで、小規模事業者持続化補助金の「創業枠」の申請要件が可能となります。通常50万円のところ、補助上限が最大200万円まで引き上げられますので、非常に大きなメリットがあります。小規模事業者持続化補助金の申請上は、支援を受けた市区町村以外での創業でも対象になります。
- 2.はじめて会社設立する際の登録免許税が半額になります。
- 株式会社を設立する場合、通常15万円の登録免許税が必要ですが、これが半額の7.5万円になります。合同会社の場合も通常6万円の登録免許税が半額の3万円になります。支援を受けた市区町村と別の地域での設立する場合や既に会社を設立している場合はこの支援を受けられませんのでご注意ください。
- 3.融資の申込時に優遇があります。
- 日本政策金融公庫で金利の引き下げや、自己資金要件の充足したものとして取り扱ってもらえます。また銀行等での借入の際に利用する信用保証協会の創業関連保証の相談について、事業開始の6か月前(通常は2か月前)から受け付けてもらう事が可能です。
特定創業支援事業の要件
①これから事業を開業する個人の方や、これから会社を設立して発起人・代表者になる方、②開業や会社設立から5年を経過しない方、③中小企業者が現在の事業を継続しつつ、新たに新会社を設立する場合や、当該新会社設立後5年を経過していない場合が対象になります(③の場合登録免許税の軽減は使えません)。
証明書をもらうためには、市区町村ごとに事前に準備されている、創業を希望する方を対象にした1か月以上にわたって行われる創業に必要な知識・ノウハウが身に付く面談やセミナーなどを受けて頂くことが必要です。多くの市区町村では、各種創業セミナーや創業スクールへの参加、窓口での相談(4回以上)などで要件を満たすことができます。証明書が発行されるまで、おおむね2か月程度の時間が必要ですが、それほど高いハードルではありません。
いかがでしたでしょうか。多くの方が特定創業支援事業を知らずにメリットを使い切れていません。創業準備段階でしっかりと必要な知識を身に付けたり、専門家からのアドバイスをもらう事で、今後の事業がスムーズに進む面もありますので、是非積極的に使いたい制度です。創業セミナーなどは直前になると席が埋まってしまうこともありますので、早めに情報を集めて申込をしておきましょう。インターネットで検索する際は、ブラウザの検索窓に「●●市 特定創業支援事業」などと入力して検索すると見つけやすいかと思います。
西内 孝文(にしうち たかふみ)
税理士・特定社会保険労務士・中小企業診断士・特定行政書士・CFP(R)の複数の資格を活用してワンストップで課題を解決できるユナイテッド・アドバイザーズグループを主宰。補助金・助成金等の支援では、着手金無しの業務報酬後払制により支援を行っており、成果にコミットした支援を行っている。
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