どんな方法を選ぶべき?資金調達方法の選び方
2024-07-26更新
~身近にある情報資産の有効活用~
2023/12/12
資金調達の新しい選択肢として注目される会計データ融資ですが、事業を行う中で会計データの存在を意識する機会はほとんどないのではないでしょうか。特に、事業に専念したい中小企業にとって、会計などの専門知識は必須ではないことが多いもの。いざ検討を考えたときに会計データがどのようなものかを知っていることは提出時の安心感に繋がります。この記事では、会計データとその有効活用について解説します。
そもそも会計は、事業の収支、資金調達とその運用などのお金の流れを記録し、その結果明らかになった財政状態や経営状況などを、利害関係者に報告することです。会計の基本は日々の取引の記録であり、日次で記帳、月末には帳簿を締めて、期末には1年間の取引をまとめた決算書の作成、年末調整に関する記帳、法人税申告書の作成などを行います。事業者が会計処理を行う際には、遵守すべき基準として位置付けられる「企業会計原則」に沿う必要があります。なかでも重要とされる7つの原則では、真実な報告や正確な会計簿記の作成、健全な会計処理などが定められています。
なお、企業会計原則については『会計処理とは?業務の流れや基本的なルールについて詳しく解説 』で詳しく説明していますので、参考にしてください。
会計データは日々の取引の記録であり、各取引を複式簿記のルール(勘定科目)によって分類することを仕訳と呼びます。会計データの作成には導入コストのかからないExcelを使いたいという考え方もありますが、必要な項目やその記入ルール、各帳簿の関係性など、簿記に関するさまざまな知識や法令改正に伴う対応が必要となることから、専用の会計ソフトを使用したり、自社の顧問税理士や会計事務所に記帳業務を依頼するケースが多いようです。会計ソフトには、取引の種類を選び日付と金額を入力するだけで帳票に自動転記される機能や、取引データの取込と仕訳を自動で行う機能(領収書やレシートのスキャン、金融機関やクレジットカードとの連携など)、決算書作成が簡単にできる機能など、専門的な知識や煩雑な作業を必要とせずに入力できるようです。また、会計ソフトにはクラウドサービスとデスクトップソフトの2種類があります。クラウドサービスではインターネット環境があればどこでも利用できる点や、顧問税理士や会計事務所とリアルタイムに会計データを共有できアドバイスなどを受けやすい点がメリットとされます。一方デスクトップソフトではインターネットに接続しなくてもオフライン環境で作業ができ処理スピードが速い傾向がある点がメリットと考えられるようです。
なお、仕訳については『仕訳とは?ルールや勘定科目、書き方をわかりやすく解説 』で詳しく説明していますので、参考にしてください。
会計データには事業者の日々の取引が全て記録されています。主な入力項目は取引日、金額、勘定科目、摘要(支払先や得意先など)です。事業体の経済活動を示す数値データとしては貸借対照表や損益計算書などの財務諸表、いわゆる決算書情報が一般的ですが、決算書は年度単位に集約したデータであるのに対して、会計データはリアルタイムに近い状態で日々蓄積され、情報の粒度が仕訳単位と細かい点に特徴があります。会計データを年度単位でみると、増減や推移、計上のタイミングを時系列で確認できる点、取引相手や取引の詳細を継続的に捕捉できる点、事業が順調に進んでいるかどうか定期的にチェックできる点が特徴といえるでしょう。また、会計データを銀行口座の入出金情報やクレジットカードの履歴などと比較すると、事業全体が網羅的かつ体系的に記録され、損益状況全体が入力されている点も特徴といえます。事業者は日々の取引を定期的かつ頻繁に帳簿に記載し、特定期間や一時点ではない継続したデータを保存することで、お金の流れを正確に把握し、経営の健康診断を行い、データに基づく正しい意思決定ができる状況にすることが望ましいといえます。
会計ソフトの利用により電子データ化された会計データは、事業者にとって、事業の「最新の」実態を「正確に」伝える情報となります。特に、書類の作成・提出などで負担がかかりながら事業の現状すべてを伝えきれない、という融資において聞かれる悩みに対して、対面による補足説明を必要とせず、既にあるデータをオンラインで提出するだけで代替できる会計データ融資では会計データは優れた伝達手段 といえるでしょう。一方、これまで決算書や預金情報による与信を行ってきた金融機関にとっては、事業の詳細を網羅的に連続性を持って把握できる会計データは従来なかった情報という点から優れた与信材料となります。直接会うことなくオンラインで提出されたデータをみることで対応できるという観点では、会計データと同様に金融機関口座の残高・入出金データを事業評価に利用する取り組みもありますが、事業全体を網羅し、取引の詳細な情報を保持していることに会計データに優位性があり、より適切な融資条件の提示が可能となるといえるでしょう。会計データの提出と併せて、事業者の情報、希望する融資金額や融資期間を入力することで、審査結果が提示され詳細を確認した後、契約手続きに進むのが一般的な申込手順とされています。実際に会計データ融資を利用した事業者からは、オンラインの申込手続きや入力操作の簡便さや、書類不要の簡略さ、申込から融資実行までのスピードを評価する声が聞かれているようです。
この機会に自社で記録している会計データの利活用を検討されてみてはいかがでしょうか。
なお、資金調達ナビ「資金調達手段を検索 」から各種資金調達手段を検索いただけます。会計データ融資は ”弥生製品データ利用” を詳細条件に追加し絞り込みください。
※弥生は2024年10月に独自に開発した審査システムを金融機関へ提供するグループ会社、アルトア株式会社を吸収合併しました
弥生株式会社の子会社。2017年より与信モデル・融資支援サービス(LaaS)の開発・提供サポート事業を展開。事業者の事業活動全体が時系列で連続的に記録されている会計データの特徴を活かし、事業者が日々入力している会計データを用いて申し込みできる融資サービスの普及により、中小企業事業者が本業に専念できる環境の実現を目指す。
タグ: