どんな方法を選ぶべき?資金調達方法の選び方

2024/07/26

1. 資金調達とは

資金調達とは、ビジネスの成長や運営に必要な資金を確保するためのプロセスです。中小零細規模の法人や個人事業主にとって、適切な資金調達手段を選ぶことは、事業の成功に直結します。資金が不足すると、新しいプロジェクトの開始や既存の業務の継続が困難になります。そのため、さまざまな資金調達方法を理解し、自分のビジネスに最適な方法を選ぶことが重要です。

2. 資金調達の種類

1. 補助金

補助金は、特定の目的やプロジェクトに対して政府や地方自治体から支給される資金です。返済義務がないため、財政的な負担が少なくて済みます。

補助金は、主に新規事業の立ち上げや既存事業の拡大、研究開発などの特定の目的に対して支給されます。補助金の種類には、経済産業省や中小企業庁が提供する「ものづくり補助金」や、「IT導入補助金」などがあります。

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2. 助成金

助成金も補助金と似ていますが、特定の条件を満たした事業者に支給されることが多いです。こちらも返済不要ですが、利用目的が厳格に定められていることが一般的です。

国は、事業者の労働環境改善や雇用対策を目的に、助成金を支給しています。具体的には、雇用の維持や新規・中途雇用、人材育成、Uターン・Iターン・Jターン雇用、障害者の定着支援の他、就業規則改善や介護・育児休暇の取得などのための費用も助成しています。

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3. 融資

融資は銀行や金融機関から資金を借りる方法です。借入金額や返済条件に応じて利息が発生しますが、比較的多額の資金を調達できます。

融資には、一般的な銀行融資のほかに、政府系金融機関が提供する低金利の融資制度や、信用保証協会の保証付き融資などがあります。これらの融資制度を活用することで、比較的低リスクで必要な資金を調達することができます。また、融資を受ける際には、返済計画をしっかり立てることが重要です。適切な返済計画を立てることで、事業の健全な運営を維持することができます。

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4. 増資・株式による調達

増資は、既存の株主や新規投資家から資金を調達する方法です。会社の資本金を増やすことで、資金を確保しますが、株式の持ち分が分散するリスクもあります。

増資には、公募増資や第三者割当増資、株式公開などの方法があります。公募増資は、広く一般から資金を募る方法で、会社の成長に必要な大規模な資金調達が可能です。第三者割当増資は、特定の投資家に対して新株を発行する方法で、信頼できる投資家からの資金調達が期待できます。株式公開は、証券取引所に株式を上場することで資金を調達する方法で、企業の知名度や信用力の向上にもつながります。

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5. その他

クラウドファンディングなど、他にもさまざまな資金調達方法があります。これらは新しいビジネスモデルや革新的なアイデアに対して資金を集めるのに適しています。

クラウドファンディングは、インターネットを通じて多数の支援者から資金を集める方法で、プロジェクトの内容や魅力を広く伝えることで資金を集めることができます。クラウドファンディングには様々なプラットフォームがあり、これらを活用することで新しいアイデアやプロジェクトに対する支援を得ることが可能です。

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注目の資金調達方法「クラウドファンディング」の概要や種類、その具体的な進め方

3. それぞれの資金調達方法のメリット・デメリット

1. 補助金・助成金のメリット・デメリット

メリット:

  • 返済不要
  • 財政的負担が少ない
  • 特定のプロジェクトや取り組みに対する資金が獲得できる

デメリット:

  • 申請手続きが煩雑
  • 条件を満たす必要がある
  • 使用目的が限定される

補助金・助成金のメリットとしては、返済の義務がないため、企業の財政状況に負担をかけずに資金を調達できる点が挙げられます。これは特に、中小企業にとって大きなメリットとなります。一方で、デメリットとしては、申請手続きが煩雑であり、多くの書類を提出する必要がある点です。また、補助金・助成金の支給には一定の条件を満たす必要があり、すべての企業が対象となるわけではありません。

2. 融資のメリット・デメリット

メリット:

  • 大額の資金を調達可能
  • 短期間で調達可能

デメリット:

  • 利息が発生
  • 返済義務がある

融資のメリットは、比較的短期間で大額の資金を調達できる点です。特に急な資金需要がある場合には、銀行融資が有効な手段となります。また、融資を受ける際には返済計画が明確に定められており、計画的な資金管理が可能です。一方で、デメリットとしては、借りた資金には利息が発生し、返済義務が生じる点です。これは企業の財務負担となり、返済が遅れると信用問題にもつながります。

3. 増資・株式調達のメリット・デメリット

メリット:

  • 返済不要
  • 大規模な資金調達が可能

デメリット:

  • 株式の持ち分が分散
  • 経営権の希薄化

増資のメリットは、返済の義務がなく、大規模な資金調達が可能な点です。特に企業の成長段階において、増資は効果的な資金調達手段となります。また、増資によって企業の資本金が増えるため、財務体質の強化にもつながります。一方、デメリットとしては、新たに発行する株式によって既存株主の持ち分が分散し、経営権が希薄化するリスクがあります。また、投資家との交渉が必要であり、条件次第では経営方針に影響を与えることもあります。

4. その他(クラウドファンディング)のメリット・デメリット

メリット:

  • 柔軟な資金調達方法
  • 新しいビジネスモデルに適応

デメリット:

  • 成功率が不確実
  • 調達に時間がかかることがある

クラウドファンディングのメリットは、インターネットを通じて多くの支援者から資金を集めることができる点です。これにより、プロジェクトの認知度を高めることができます。一方、デメリットとしては、目標金額に到達しなければ資金を調達できないリスクや、プロジェクトの魅力を十分に伝えるためのマーケティング努力が必要です。

4. 資金調達方法の選び方

1. 必要な金額から選ぶ

資金調達の選択肢を検討する際には、まず必要な金額を明確にすることが重要です。例えば、設備投資や新規プロジェクトのために大額の資金が必要な場合には、銀行融資や増資が適しています。一方、少額の運転資金や特定のプロジェクトのための資金が必要な場合には、補助金や助成金を活用することが効果的です。

2. 必要なタイミングから選ぶ

資金調達のタイミングも重要な要素です。例えば、急な資金需要が発生した場合には、迅速に資金を調達できる銀行融資が適しています。一方、長期的な計画を立てて資金を調達する場合には、補助金や助成金の申請を検討することが有効です。補助金や助成金は、申請から受給までに時間がかかることが多いため、事前に計画を立てて準備を進める必要があります。

3. 使用目的から選ぶ

資金の使用目的に応じて、最適な資金調達方法を選ぶことも重要です。例えば、新しい製品開発や市場拡大のための資金が必要な場合には、補助金や長期の借入、増資が適しています。一方、日常的な運転資金や短期的なキャッシュフローの改善が目的の場合には、短期の銀行融資が有効です。また、特定のプロジェクトに対する資金調達が必要な場合には、プロジェクトの内容や目的に応じて最適な資金調達方法を選びましょう。

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4. 労力から選ぶ

資金調達方法を選ぶ際には、その手間や労力も考慮する必要があります。例えば、補助金や助成金は申請手続きが煩雑で、多くの書類を準備する必要があります。一方、銀行融資やクラウドファンディングは比較的手続きが簡便であり、迅速に資金を調達することができます。また、増資やベンチャーキャピタルからの資金調達は、投資家との交渉や契約手続きが必要となるため、一定の時間と労力を要します。

資金調達方法の選び方まとめ

資金調達は、事業の成功と成長に不可欠な要素です。この記事では、中小零細規模の法人および個人事業主が利用できる主要な資金調達方法について詳しく解説しました。

弥生の資金調達ナビでは、資金調達方法の選び方に関する記事だけでなく、補助金・助成金の検索や、創業計画の作成など、スモールビジネスの方の資金調達を支援しています。ぜひご活用ください。

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