資金調達とは?
2022-08-03更新
新しい融資、オンライン融資の仕組み
2019/5/15(2021/11/22更新)
新しい融資、オンライン融資について解説いたします。
オンライン融資とは、「オンライン上(インターネット上)ですべての手続きが完結する融資サービス」のことをいいます。従来の金融機関の融資は、書類が多く、手続きも面倒であり、さらに審査に関しては数週間から数か月を要する場合もあります。これに対して、オンライン融資は、最短で即日~数日内で融資を受けることが可能です。
オンライン融資は、近年のフィンテックの発展により、さまざまなデータを活用して人工知能(AI)などで分析を行うことで、スピーディな手続きや審査を実現できるようになっています。
オンライン融資にはいくつかのカテゴリーがあり、主に「信用スコアレンディング」、「トランザクションレンディング」に分かれます。実際はもっと詳細に分類することもできるのですが、大まかにこの二つとその他に分かれると理解してくださって大丈夫です。
「トランザクションレンディング」とは、あるプラットフォーム内での取引データ等(売買実績や入出金状況など)をベースに融資審査するサービスです。「データレンディング」などとも呼ばれています。トランザクションは“取引”という意味ですから、取引実績や履歴などをベースに審査をするということが分かります。
Amazonレンディングや楽天スーパービジネスローン(エクスプレス)などがトランザクションレンディングです。Amazonレンディングは、Amazonマーケットプレイスに参加している法人販売事業者だけが対象となります。楽天スーパービジネスローン(エクスプレス)は、楽天市場への出店事業者だけが対象となります。
いわゆる「銀行、信用金庫、信用組合」などの金融機関などにおいても、AIを駆使したオンライン融資を積極的に導入する動きがあります。
2019年6月から「三菱UFJ」によるオンライン融資が開始され、「りそな銀行」や「横浜銀行」も2020年1月に開始するなど、銀行の動きが活発化しています。
ネットバンクの「住信SBIネット銀行」や「PayPay銀行」もオンラインで完結する法人向けの事業性融資を提供。
さらに、3メガ銀行と地銀など18社が、決算書がなくても融資ができる新スキームを目指し新会社に出資するなどもあり、異業種からの参入に出遅れていた形のAI審査で銀行の動きが拡大しています。
従来の融資サービスは、申し込みから申請までフェイスtoフェイスにて、金融機関などの窓口等にて行われます。これに対してオンライン融資は、原則としてWEB上で完結します。
また、従来の融資サービスは、少額であっても書類の提出が必要で、その準備や手続きに時間がかかり、経営者にとっては面倒である、という課題があります。それに対してオンライン融資は、申し込みから審査結果、融資実行まで、オンラインで最短数十分程度で完結します。スピード重視の事業を展開する企業にとって、手間と時間を大幅に短縮でき、非常に「利便性」が高いサービスだといえるでしょう。
法人として無担保・個人連帯保証なしで借りることができるのも有難いことです。従来の融資においても無担保・無保証人制度がありますが、企業の業績などにより、経営者(社長)の個人連帯保証が必要になる場合が多くあります。
なお、従来の融資は企業規模にもよりますが、中小企業を対象とすると、数百万円から数千万円の融資限度額ですが、オンライン融資の場合は、数十万~1,000万円程度が平均的な融資額となっています。さらに1年以内の短期融資が中心となっています。
オンライン融資を活用する際は、様々な融資商品を比較して、最も適したものを選択して利用するようにしてください。
従来の融資 | オンライン融資 | |
---|---|---|
相談・申込 | 窓口で相談、申込みをする | WEBサイトで申込み 窓口への訪問不要 |
資料 | 事業計画書や決算書など、指定された書類を提出する | 会計データ、その他データ 書類作成は原則不要 |
審査 | 提出資料の分析、経営者面談、企業訪問など、総合的に審査をする 審査期間:数週間以上 |
AI(人工知能)が分析 審査期間:最短即日、2~3日以内 |
契約 | 書面で締結する | 原則、WEBで締結する |
融資実行 | 手続きにより多少時間がかかる場合もある | 最短即日 |
担保、連帯保証人 | 担保提供、経営者(社長)の個人連帯保証についてはその都度検討する(個人連帯保証が必要となる場合が多い) | 原則として、担保提供、経営者(社長)の個人連帯保証の必要なし |
株式会社MBSコンサルティング代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。
主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)などがある。
また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。
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