資金調達とは?
2022-08-03更新
2019/05/14
本来、企業の資金調達は計画的に行うべきことです。しかしながら、事業を営んでいるとどうしても突然の資金調達が必要になるときがあります。そういう場合は、取引先の銀行などが即対応してくれれば、それに越したことはありませんが、多くのケースでは、融資審査に数週間かかってしまいます。そんなとき、小規模事業者はどうすればよいのでしょうか。
小規模事業者が資金を必要とするときとは、どんなケースでしょうか。運転資金の不足や事業拡大に向けた資金などは、事業計画や損益計画をしっかりと作成していれば、予測できるものです。
それに対して、小規模事業者の場合は、避けようのない突発的な支出があり、対応困難なケースも多々あります。また、取引先からの売掛金の支払い延長をお願いされることもあるでしょう。最も深刻なのは取引先の倒産です。また、小規模事業者の場合は、急な大口注文があり仕入れなどが必要になる場合もあるでしょう。
それら全ての場合において、取引先の金融機関が素早く対応してくれれば何の問題もありませんが、多くのケースではどうしても時間がかかってしまうため、緊急な対応は非常に困難だといえます。
業歴も長く、業績のよい中小企業ならば、「当座貸越」という方法があります。当座貸越とは、融資の限度額(極度額)を設定して、その極度までは自由に資金を借りたり返済したりすることのできる方法のことをいいます。また、中堅・大企業などは「コミットメントライン」という金融機関が事前に設定した金額内にて、いつでも融資してもらうことができる契約を結んでいたりします。
ただし、起業したばかりの方や小規模事業者の場合は、こういう手法を使うことは非常に困難であり、ハードルがとても高いといえます。そういう場合にオンライン融資を活用することによって、即日から2~3日以内の資金調達が可能になります。当然、オンライン融資にも審査があり、どんな事業者でも融資を受けることができるということではありません。しかしながら、緊急な資金が必要なときは、やはり有望な選択肢の一つであることに間違いありません。
いざという時に使える資金があるのは心強いものです。
通常の銀行融資などは、数日で融資が実行される場合もありますが、平均的に「数週間」から、大きな案件ですと「数か月」かかる場合もあります。それでは緊急な資金には対応できません。
また、「いつ緊急に資金が必要となるかどうかわからないけど、借りることができるのかどうか知りたい。融資は行わなくても、審査をしてもらいたい」というニーズもあると思われます。従来の融資手法では、金融機関がそういう対応をするのは困難ですが、オンライン融資なら対応できるところもあります。
「借入なんてしない方がよい。無借金経営が理想だ」と考えている経営者もいることでしょう。確かにそういう考え方も決して間違いではありません。小規模事業者の場合などは、自己資金だけで事業を継続することができれば、それもよいでしょう。
では、どうしても避けることのできない突発的な資金が必要になって、手元資金だけではまかないきれない場合、どうすればよいのでしょうか。小規模事業者には、「ここさえしのげれば」という場面があることも事実です。そこではじめて金融機関に融資を申し込めばよいと思われますか?
残念ながら、銀行などの金融機関は借入・返済実績がなければ、突然、申し込みをしてもハードルが高く、審査に相当の時間を要します。金融機関にとっては、借入・返済の実績が信用に繋がっている一面もあるからです。そもそも銀行などの金融機関は、取引があったとしても、即日融資などの対応は難しいのですから、融資取引・実績のない事業者から急な相談を持ち込まれても対応できないのは当然のことです。
人それぞれの考え方もあると思いますが、借入をすることは決して悪いことではありません。また、何かあった時に備えておくことは経営者として必要なことです。
もちろん、無計画に必要以上に借り入れを行うことはよいことではありません。また、利用しやすいからといって、オンライン融資ばかりに頼りきるというのもよいことではありません。銀行などの金融機関からの融資やオンライン融資など、バランスよく利用することが大切です。
株式会社MBSコンサルティング代表取締役。1998年の起業以来、「資金繰り・資金調達支援」に特化して創業者や中小事業者を支援。これまでに1,000 社以上の資金調達相談・支援を行い、その資金調達支援総額は20億円超。
主な著書に、「社長のための資金調達100の方法」(ダイヤモンド社)、「究極の資金調達マニュアル」(こう書房)、「税理士・認定支援機関のための資金調達支援ガイド」(中央経済社)などがある。
また、全国の経営者・士業などを対象にした会員制の資金調達勉強会「資金調達サポート会(FSS)」を主催している。
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