新規事業立ち上げに使える補助金・助成金9選
2024-04-05更新
2022/04/19
自治体(都道府県・市町村)とその関連団体には、さまざまな中小企業に対する支援策があります。ここでは、自治体の関連団体が実施する中小企業支援策について、その代表的なものである「中小企業振興公社」を中心に説明していきます。
自治体の関連団体で代表的なものは「中小企業振興公社」です。中小企業振興公社はその名の通り、都道府県の中小企業振興機関であり、中小企業をサポートする目的で設立された公益財団法人です。
都道府県によっては「中小企業支援センター」など、若干名称は異なりますが、いずれにしても公益財団法人で半官半民の法人です。
中小企業振興公社の事業内容は中小企業支援に特化しており、非常に充実した各種サポートを提供しています。具体的には中小企業への下請取引の紹介、斡旋・育成指導などを行っています。従来は下請企業振興事業や小規模企業設備資金事業を行っていましたが、現在は経営相談、助成金・設備投資に関する助言・セミナーから、各士業や専門家の紹介、販路開拓のサポートまで、多角的な支援プログラムが用意されています。
多くの場合、自治体のホームページでリンクされているので、合わせて確認すると良いでしょう。自治体にもよりますが、中小企業の市場開拓を支援するため、貸展示場と貸会議室を提供する事業を行っている場合があります。そうした施設を上手に利用することも1つの方法です。
中小企業振興公社などの支援策は自治体の情報とも連携していることから、総合的な窓口として利用すると便利です。それぞれの機関によって異なりますが、中小企業として利用しやすい支援策は主に以下のようなものです。
経営に関する相談を専門の相談員がワンストップで答えてくれます。その相談方法は、電話やオンライン、メールなどです。相談範囲は、経営全般の相談から法律相談など多岐に渡って相談に乗ってくれます。個別の経営課題に対し、豊富な実務経験と支援実績を有する専門家の派遣もしてくれます。
各自治体の制度融資の情報提供、斡旋、紹介をしてくれます。
創業・事業再生・事業承継の相談、支援を行います。最近は、事業譲渡などを検討している中小企業を対象に、国内譲受(買い手)事業者とのM&Aマッチング支援も行い、後継者の不在や事業継続に悩みを抱えている事業者の第三者承継を支援しています。
助成金・補助金は適合するものを探すのも手間がかかりますが、中小企業振興公社などでは、ホームページで探しやすく紹介されています。多くの場合「製品開発」「販路開拓」「地域活性化」などの目的が設定されています。
マーケティング支援、商談会開催、ビジネスマッチング支援などの情報があります。中小企業庁の支援策なども合わせて紹介されています。その組織によっては、インターネット会員となって自分自身でニーズのマッチする企業へのアプローチができるようなマッチングシステムを完備しているところもあります。
教育研修やセミナー、講座などの開催・運営から、従業員などの先進企業、専門職大学院などへの派遣に必要な経費の一部補助なども行っています。昨今はメンタルヘルス対策なども含め、その対応範囲は広くなっています。
外国への事業展開などを計画している中小企業などの特許、実用新案、意匠、商標の外国出願を支援しています。マーケティング支援として、新分野・新市場への進出など等を目指した製品・サービスの市場調査や、展示会への出展にかかる経費の一部を補助してくれます。
その他、上記に関連するセミナーやイベント、貸会議室、貸事務所などの支援もあります。
それぞれの組織により異なりますが、例えば「販路開拓・マーケィング」の支援事業として、商店街を担う若手商人の育成を中心に捉えた「人づくり」を行い、中小企業の発展と地域経済の活性化に寄与までを念頭におく事業などもあります。
中小企業振興公社などの支援策の中で、特に利用したいものとして「経営相談」があります。
ここでは、都道府県と連携して地域の中小企業の総合的・中核的な支援機関としての総合相談業務を行っています。利用できるのは、その都道府県に主たる事業所をおく中小企業や創業を行おうとする方です。各機関により会員組織(有料)であったり無料であったりしますので、最初に確認してから利用しましょう。
この経営相談は、自治体に比べいろいろな経営の相談がしやすく、またワンストップでそこからさまざまな情報につなげることが可能なことが特徴と言えます。
自治体にも同じような機能はありますが、担当部署や課がわかりづらかったり、相談しづらかったりする面があるかも知れません。このような場合、中小企業振興公社などは、都道府県と連携して地域の中小企業に対し「総合的・中核的な支援機関としての総合相談」を業務としていますので、中小企業からすると非常に便利です。
例えば創業や販路開拓、新製品開発、設備導入などのさまざまなテーマに対し、相談するとともに、合わせて資金調達の相談をし、自治体の制度融資などについて教えてもらうことができます。「まず経営相談で総合的に相談する→その中から希望する資金調達を検討する」という流れで考えると良いでしょう。
株式会社アスタリスク代表取締役。金融機関、コンサルタント企業、IT企業を経て、2000年代表取締役就任。IT企業、不動産業、商社等の経営戦略、財務戦略、管理会計支援等
を行う。
これまで、銀行等の金融機関の研修・講演講師を70行庫以上務める。主な著書は「渉外マンの現場力/近代セールス社」金融商品取引法・各種業法に基づく「金融商品セールス対応話法集/銀行研修社」等でありその他金融機関向け、雑誌連載実績等多数。
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