中小企業の成長を支援!三菱UFJ銀行のDXが生んだ新しい融資サービス「Biz LENDING」【株式会社三菱UFJ銀行】決済企画部 野呂部長インタビュー

日本全国に業務基盤を持ち、多くの法人とお取引を行う三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)。「メガバンクは取引するハードルが高い」というイメージがある中、デジタルを駆使し中小企業へのサービス提供にも力を入れています。その中でも活用が拡がっているのがオンラインで完結する融資サービス「Biz LENDING」です。

Biz LENDINGとはどのようなサービスでしょうか?

野呂:

Biz LENDINGは中小企業のお客さまが、よりスピーディーに、より簡単に融資を受けられるサービスです。特長は「24時間365日いつでもオンラインで取引が完結する利便性」「お申し込みから最短2営業日で融資を受けられるスピード感」「決算書や担保・保証も不要な手軽さ」の3つです。これまでの融資は2週間~1か月程度お待ちいただくものであったので、より早くできないかという思いで始めました。

なぜ、そのようなスピードと利便性が実現できるのでしょうか。

野呂:

AIを活用した、新しい審査の仕組を採用しているからです。デジタル化が進む流れの中で、手続き自体はオンラインによるケースが増えつつあります。しかし多くの場合、これまで紙だった書類をPDFなどの電子データで送付することにとどまっています。これでは人間が決算書を見て判断する仕組そのものは変わりません。Biz LENDINGではお客さまの入出金データをAIが分析します。AIは必要な情報をスムーズかつスピーディーに出力するため、融資の判断を行う際にリスクをより正確に見積もることができるのです。また、審査期間の短縮だけでなく、詳細な情報を把握できることにより、お客さまにとってより良い条件の提示も可能になっています。

サービス展開のきっかけについて教えてください。

野呂:

「中小企業のお客さまへ融資の取引を拡げていきたい」という思いがきっかけです。融資審査は人を介して行うと時間がかかり、広く多くのお客さまに提供することは難しいものです。融資を事業として成り立たせるためには、適切なバランスの審査基準が必要です。空前の低金利という状況の中で、新しい中小企業向け融資サービスを展開するためには、従来とは異なる審査基準が必要でした。その鍵を握っていたのが入出金のデータです。

これまで、お客さまからご提出いただく財務諸表を主として融資の判断を行ってきましたが、それには一定のリスクが伴っていました。というのも、売上やキャッシュフローの変動が大きい中小企業では、実際のお金の動きもよく見なければならず、財務諸表だけでは情報として不十分だったのです。オンラインで入出金のデータを連携することで、実態に則した審査が可能になりました。

顧客からの反響はいかがでしょうか?

野呂:

2019年6月にサービスを開始してから、実績は着実に増えており、現在は年間に数千件のお申し込みをいただいている状況です。とはいえ、まだまだサービスを知っていただくための活動が不十分だと感じており、お取引のあるお客さまへの電話やメールを中心にマーケティングを進めています。

ご利用いただいたお客さまからは、オンラインならではのスピード感が好評です。「急に資金が必要になったときに、Biz LENDINGを利用して乗り切った」という感謝のお声をいただくこともあります。

サービスを開始した翌年の2020年には、コロナ禍の影響を受けたお客さまからのお申し込みを多く頂戴しました。経済環境が大きく変わる中で資金繰りのニーズにスピード感を持ってお応えできたことに、一定の成果があったと考えています。

そもそも、なぜ中小企業の支援に力を入れているのでしょうか?メガバンクといえば「大企業のための銀行」というイメージがあります。

野呂:

お客さまの成長を支えることが、私どもの存在意義だからです。MUFGは東京や大阪、名古屋などの大都市圏にある企業を顧客基盤の中心に持ち、上場会社とのお取引も多くいただいているため、大企業のお客さまとのかかわりが強いという側面は確かにあります。しかし一方で、口座をお持ちいただいている法人約100万社のほとんどが中小企業のお客さまです。社会を支え、お客さまとともに成長していくためには、中小企業の皆さまへの支援が欠かせません。MUFG全体でも「世界が進むチカラになる。」をパーパス(存在意義)として掲げ、2024年から3年間を、積極的な成長と進歩を追求する重要な期間と位置付けています。

中小企業からどのような期待を感じていますか?

野呂:

現状ではまだ「期待をいただいている」と胸を張って言うことは難しいかもしれません。実際、インタビューやアンケートなどを通じて「メガバンクはハードルが高い印象がある」といったご意見が多く見られます。中小企業のお客さまに対する私どものサポートはまだ発展途上であると言わざるを得ませんが、同時にさらに成長し、より良いサービスを提供できるようになるための貴重なフィードバックと捉えています。

一方で、法人口座を開設してくださるお客さまのうち、70%は創業直後であるという実績もあります。口座を開設いただいているということは、やはり決済や貸出へ一定のご期待をいただいている証とも考えられます。デジタルテクノロジーを駆使して、これまでのようなアナログのサービスに負けない満足を届けることを目指しています。「中小企業といえばMUFG」と言われるようになりたいですね。

どのような方法で支援を行っていますか。

野呂:

私が担当する決済企画部は、Webを通じた口座開設など、銀行業務のデジタライゼーションを担っています。2024年度からは法人のDXも決済企画部のミッションになりました。

現在では、口座開設時の審査を丁寧に見ることで、メガバンクの中で最も低かった口座開設率を大幅に改善しました。Webで完結可能な口座開設サービスも提供しており、スピーディーな対応が可能になりました。インターネットバンキングや資金調達のサポートサービス、創業直後のお客さまには「スタートアップキット」も提供しています。MUFGの広い顧客基盤を活かし、スケールメリットを出したいと思っています。

中小企業の支援に関するこれからの展望をお聞かせください。

野呂:

さまざまな企業やサービスとパートナーシップを築きながら、中小企業の皆さまの成長を支援していきたいと考えています。お客さまの日常業務に深く入り込んだ課題を解決することは、私どもMUFGの力だけでは難しいでしょう。フィンテックや会計システムなど、お金の動きにかかわるサービスと協業していくことが欠かせません。経済活動の最前線でお客さまと接点を持つパートナー企業との関係を大切にしていきたいと考えています。

最後に、中小企業に向けたメッセージをお願いします。

野呂:

MUFGはハードルが高いと思われがちですが、その認識を変えるために日々さまざまな取組を行っています。中小企業の皆さまが思っておられる以上に、私どもは皆さまとお近づきになりたいと考えています。ひょっとしたら最初の接点はパートナー企業になるかもしれませんが、裏側でMUFGが支援しているケースがこれからも増えていくでしょう。

MUFGはお客さまの成長を支えるファースト・コール・バンクでありたいですし、皆さまのニーズに全力でお応えしたいと考えています。何かお困りごとがあったら、担当者やサービス窓口にお問い合わせいただけると幸いです。

野呂 崇享(株式会社三菱UFJ銀行 執行役員 決済企画部長 兼 デジタル戦略統括部部長)

1997年 三和銀行(現:三菱UFJ銀行)入行。国内支店(法人取引)、三菱UFJ証券経営企画部、ロンドン支店、市場企画部、海外留学(ロンドン・ビジネススクール)、デジタル企画部次長、経営企画部次長、法人・リテール企画部副部長等を歴任。入行以来一貫してグループ戦略・事業戦略(法人取引・投資銀行・市場業務等)を牽引。2023年より執行役員決済企画部長に就任、現在に至る。

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