【りそな銀行】デジタルチャネルを活用した中小企業支援の取り組み

中小企業においては、資金調達の手段としてビジネスローンを活用するケースが多いと思います。りそな銀行では2020年から、Web上でお申し込みからお借入れまでが可能な「Speed on!」と呼ばれるビジネスローンの提供をスタートしました。2021年からは弥生の会計データを活用したお申し込みも可能となり、現在では多くの中小企業が利用しています。

今回は、りそな銀行コーポレートビジネス部の久木﨑 雅矢(くきさき まさや)さんに、りそなビジネスローン「Speed on!」を中心とした中小企業への支援についてお話を伺いました。

りそな銀行の概要

りそな銀行の沿革と取引先企業の特徴

久木﨑:

りそな銀行は合併も経てはいますが、100年以上の歴史のある銀行です。お取引をいただいているお客さまは、他の金融機関に比べると個人と中小企業のお客さまが多くなっています。リテールに特化した銀行であることが、りそな銀行の特徴です。

私が所属しているコーポレートビジネス部は、法人部門全体の商品企画を行う部署です。その中で、従来の店舗を起点とした企画とは異なる、デジタルチャネルを使ったお客さまとの接点の拡大を目標に、日々業務に取り組んでいます。

りそな銀行さまの特徴

久木﨑:

りそな銀行がメガバンク(「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」)や地方銀行と異なる点は、信託業務を全国展開している点です。国内最大規模の信託併営の商業銀行グループであることは、他の金融機関との大きな違いとなります。

りそな銀行は全国にある店舗を中心にお客さまと接点を持ちながら、商業銀行の業務だけでなく、個人向けの遺言信託から不動産までワンストップでご提供しています。

スモールビジネス支援の内容

りそな銀行における中小企業向け支援の種類

久木﨑:

中小企業向けのソリューションはさまざまな種類を用意していますが、いつでもお手続きが可能な「法人口座開設WEB申込」や、りそなビジネスローン「Speed on!」「活動力」がお客さまに利用されています。

特に、弥生会計ソフトをお使いのお客さまですと、りそなビジネスローン「Speed on!」のご利用が多いです。

りそなビジネスローン「Speed on!」の特色

預金取引を基にしたビジネスローンの仕組みイメージ

取引先さま(販売先や仕入先)と法人のお客さま間の入金、支払のやりとりでの入出金データを集約、りそな銀行でその入出金データを分析しAI審査モデルにより融資を行う
久木﨑:

中小企業向けソリューションの中でよく使われているりそなビジネスローン「Speed on!」は、お申し込みからご利用まで、Web上で完結できる点が大きな特徴です。

従来は、お客さまにご来店いただき、相談のうえローンの手続きを行う手順が一般的でした。しかし、来店する時間を確保することが難しいというお声をいただく機会も多く、時間や場所を気にせず手続きできる「Speed on!」は、日中は本業に専念されたい中小企業の方に利便性を感じていただけているようです。また、当初はりそな銀行と預金のお取引があることがご利用の条件でしたが、現在ではまだ預金のお取引のないお客さまにも弥生会計データを提出いただくことでお申し込みいただけます。

りそなビジネスローン「Speed on!」を利用するための条件や流れ

久木﨑:

「Speed on!」会計データ連携の利用条件は、以下の通りです。

以下、すべての条件を満たす法人のお客さま

  • 弥生会計(デスクトップ)をご利用中のお客さま
  • 法人代表者の方にお申し込み、ご契約をしていただけるお客さま
  • 当社グループ(「りそな銀行」「埼玉りそな銀行」「関西みらい銀行」「みなと銀行」)とご融資取引がないお客さま

りそな銀行と融資のお取引がないお客さまであることが、基本的な条件です。会計データと本人確認資料の2つをご準備いただき、Web上からアップロードいただくことでご利用になれます。Webページの手順に従い、順を追って手続きいただくことで、簡単にお申し込みができます。

りそなビジネスローン「Speed on!」会計データ連携 新しいウィンドウで開く

「Speed on!」の融資内容は、以下の通りです。

  • 融資金額:100万円以上1,000万円以下(10万円単位)
  • 融資形態:証書貸付(契約は電子契約となりますので印紙代は発生しません)
  • 融資期間:1か月以上36か月以内
  • 融資利率:年1.0%~9.0%(変動金利)

りそなビジネスローン「Speed on!」と弥生の連携によるメリット

久木﨑:

「Speed on!」はお客さまに来店いただかず、書類作成や面談などの手続きもいらず、スピーディーに資金調達していただけるようにしたいとの思いからスタートした商品です。弥生さまとの連携によって、預金取引を基にした仕組みではなく会計データを基にした仕組みとして、現在預金取引のないお客さまにもお届けできるようになりました。日頃入力し、既にある会計データをWeb上から連携するだけという便利さを、これまでりそな銀行を利用してこなかったお客さまにも知っていただきたいと考えています。

りそなビジネスローン「Speed on!」の利用者属性

久木﨑:

「Speed on!」はWeb上でお申し込みいただける商品であるため、りそな銀行が持つ関東圏と関西圏を中心とした店舗網に限らず、全国のさまざまなお客さまにご利用いただいております。

リリース当初はWeb上でお申し込みをするという性質上、30~40代ぐらいまでの若いお客さまのご利用が多いだろう予想していました。しかし、ふたを開けてみると50〜60代のお客さまにも多くご利用いただいていることがわかりました。お申し込みのしやすさを重視して作りましたが、私たちが想定していた以上のニーズが市場にあったと感じています。

また、お客さまの多くが、インターネットで検索をしている際に「Speed on!」を見つけて、その場でお手続きを行うケースも多いようです。これほどのスピード感は、従来のビジネスローンの常識では考えられなかったものだと思います。

りそな銀行から融資を受けるとき注意するポイント

久木﨑:

融資に関する審査条件についてはお答えできませんが、お客さまが融資のお申し込みをする際には、長期のお取引になることを留意していただくとよいかと思います。「Speed on!」に限らず、他の商品の利便性や店舗がある場所なども考慮したうえで、最適な方法で融資を受けることが望ましいでしょう。

Web上での手続きの方法がわからない場合は、お電話や店頭でご相談いただくことも可能ですのでご安心ください。

最後に

中小企業に多い相談内容

久木﨑:

やはり、ご自身が事業に専念をされているお客さまが多く「短期間で資金が必要だ」というご相談は多いです。また、融資のご相談に来られるお客さまのなかには、必要となる資料を作成した経験がない方も多いため、試算表や資金繰り表などについて私たちがアドバイスするケースもよくあります。できる限りサポートいたしますが、すべてを作成することはできないので、資料の代わりに会計データを提出する方が便利というお客さまもいます。会計データ連携では資料作成を含めた融資のお手続きにかかる時間を大幅に削減できる点が魅力のようです。

現在検討中の支援や方針

久木﨑:

りそな銀行は店舗展開もしていますが、近年はりそなビジネスローン「Speed on!」をはじめ、Webによる口座開設申し込みも含め、インターネットを活用した取り組みにも力を入れています。今後も、事業を営むお客さまにとって、より利便性が高い新たなご融資の形やビジネスマッチングなどの機会を実現していきたいですね。

資金調達を検討する個人事業主、小規模法人、個人事業主に向けたメッセージ

久木﨑:

近年、新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、お客さまの事業環境が大きく変化しているかと思います。そのため、私たちも従来の銀行のあり方にとらわれず、お客さまにさまざまな形でお役立ていただけるサービスを提供していく所存です。今後、新たな取り組みをされる際には、相談先の一選択肢として、りそな銀行を加えていただければと思います。

久木﨑 雅矢(りそな銀行コーポレートビジネス部)

2015年 入行。支店にて中堅中小企業の営業を担当。
現在は、法人の非対面分野のサービスを所管し、取引基盤拡大のため日々邁進中。

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