ファクタリング会社とは?

メリットや業種別の活用事例を解説

2024/08/16

資金調達手段の1つにファクタリングがあります。関心はあるけれども利用方法がわからないという方や、危険な方法ではないかと警戒している方がいるかもしれません。ファクタリングは急にキャッシュが必要になったときにとても役立つ合法的な手段です。年々利用者の数も増え、それに伴ってファクタリング会社も増加しています。中小事業者や個人事業主は、将来に備えてファクタリングについての知識を備えておいて損はありません。
この記事では、ファクタリングの概要やさまざまなメリット、業種別の活用事例、方式、利用する際の注意事項について、詳しく解説していきます。

ファクタリング会社とは

「ファクタリング(factoring)」 とは、保有している売掛債権(売掛金・受取代金)を買い取ってもらい、債権の回収を行う金融サービスです。すなわちファクタリング会社とは、回収期限前の債権を企業から買い取り、現金化してくれる会社を指します。ファクタリングの起源は16世紀のイギリスにあるといわれ、今日では日本国内で中小事業者・個人事業主に向けたサービスを行う多くのファクタリング会社が存在します。

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債権回収会社との違い

混同されやすいですが、ファクタリング会社は債権買取会社に分類され、回収期限が到来していない債権を基本的に取り扱います。一方、債権回収会社(サービサー)の扱う債権は、回収期限が過ぎたにもかかわらず、「債権者が払う気がない」「債権者と連絡が取れない」といった不良債権です。債権回収会社(サービサー)も、ファクタリング会社と同様、債権者から債権を買い取る形になりますが、その手数料は高い傾向にあります。

ファクタリング会社は違法ではない

所有する債権を他人に移転する行為を「債権譲渡」といいます。この債権譲渡に関しては、民法第466条に以下の規定があります。

「債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。」

引用
民法 第四百六十六条 | e-Gov法令検索 新しいウィンドウで開く

つまり、企業が保有する債権を買い取るファクタリングという行為自体は違法ではありません。ただし法務大臣の許可が必要な債権回収会社(サービサー)と異なり、ファクタリング会社はそのような許可なしにサービスの提供が可能です。そのため、悪質な違法業者が存在するのも事実であり、ファクタリング会社自体が違法で、どこか胡散臭いものであると誤解する方が一定数存在します。悪質なファクタリング会社については以下の関連記事をご覧ください。

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ファクタリング会社を利用するメリット

数多くの資金調達方法がある中で、ファクタリングは「資金調達を素早く行える」「審査が通りやすい」「負債に影響しない」という3つのメリットがあります。ここでは、各メリットを詳しく見ていきます。

資金調達を素早く行うことができる

資金調達方法には、銀行や信用金庫からの融資、補助金や助成金、クラウドファンディングなどによる出資などさまざまなものがあります。資金調達額や条件にも左右されますが、一般的に申請から審査完了までには、以下の期間を要します。

  • 銀行からの融資:2週間~3週間
  • 信用金庫からの融資:2か月~3か月
  • 補助金の申請:1か月~1か月半
  • 助成金の申請:2か月~8か月
  • クラウドファンディング:2日~80日

これらに対し、ファクタリング会社では、最短で申し込みから審査が1日で終わり、入金も審査完了直後にすぐ行われます。

さらに近年では、申し込みから入金までの手続きが、すべてオンラインで完結するファクタリング会社も増えています。本人確認書類や請求書などをオンラインでアップロードし、実際に対面することなく査定が完了するという流れです。このように手続き面を含めると、ファクタリング会社が資金調達方法の中でも最速といえます。

審査が通りやすく気軽に利用することができる

ファクタリングは、銀行や信用金庫の融資とは異なり、事業計画書の提出や、担保・保証人の提供は必要ありません。ファクタリングの審査で重要視されるのは売掛債権の信用度です。企業や個人の財務状況はそれほど重要視されません。そのため、経営規模の小さい中小事業者や個人事業主にとって利用しやすくなっています。

負債に影響なく利用することができる

ファクタリングは上述したように債権譲渡であり、売掛債権をファクタリング会社に売却する行為は売買契約に該当します。したがって、融資やローンなどの借入には当たりません。そのためファクタリングをいくら使用しても、賃借対照表の負債にはならないのが特徴です。さらには、利用しても自社・個人の信用情報として記録に残ることはありません。

ファクタリング会社の業種別活用事例

ファクタリングを必要とする企業はどういった業種が多いのか、資金繰りにどのような事情を抱えているのか、そしてどのようにファクタリングを活用しているのかを詳しく見ていきます。

建設業・土木業

請負契約が一般的である建設業・土木業において、代金を受け取るのは工事完了後です。着手金や、工事の進捗状況に合わせて残金を支払う出来高払いもありますが、それでも代金の大半は工事完了後に支払われます。特に工事が長期プロジェクトであれば、着工から完成まで1年以上かかることも珍しくありません。このように入金まで長い期間が空くと、資金のやり繰りに苦労する可能性も十分ありえます。

また、建設業・土木業は、工事に必要な材料費や人件費を自ら立て替えなければなりません。途中で資金が尽きた場合、工事に支障をきたします。そのため建設業・土木業にとって、素早い資金調達が可能なファクタリングは実に魅力的です。資金が必要になったときに、ファクタリングを利用してキャッシュ・フローを改善すれば、最後まで安定的に工事を続けられます。

運送業

ファクタリングの利用が最も多い業種の1つが運送業です。その理由として、イレギュラーな出来事が突発的に起きやすく、緊急の資金調達を迫られる割合が高いことがあげられます。代表的な出来事には、運送に使用している車両の故障や事故があります。また、燃料費の高騰も問題になります。これらの出来事は予想しにくく、資金繰りに悪影響を及ぼす要因です。

また、運送業は業務を提供してから支払いまでの期日が長く、支払いが2か月以上先になることも多々あります。特に繁忙期では人件費や燃料費が通常よりも多く必要で、売上が上がっても手元にあるキャッシュが心細くなることは珍しくありません。このような状況下で、ファクタリングは心強い味方となってくれます。

ITサービス業

ITサービス業では元請けに納品してから検収が行われ、納品データに問題がないと判断されてから入金されます。場合によっては案件終了から入金まで2か月~3か月かかることもあります。プロジェクト期間が長くなることも考えられ、その間キャッシュがまったく入らないことも珍しくありません。一方で、広告費や外注費の立て替えなど、プロジェクトに取り組んでいる間にも資金は絶え間なく出ていきます。特にwebデザイナーやイラストレーターを雇う外注費は前払いである場合も多く、優秀な人材であればあるほど費用がかかります。そこでファクタリングを利用すれば、元請けからの入金までに必要なキャッシュを補うことが可能です。

優良ファクタリング会社の選び方のポイント

数多くあるファクタリング会社の中から選ぶ際には、「運営元が信頼できるか」「方式はどうか」「資金調達までのスピード」「利用限度額・手数料」といったポイントを考慮する必要があります。なお、ファクタリングの活用については、以下の関連記事を参照してください。

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ファクタリングの活用 ~ファクタリングとは?~

大手など運営元が信頼できるファクタリング会社

ファクタリング会社の中には悪徳な会社が存在します。そのため、信用度の高い大手ファクタリング会社の利用がおすすめです。

一般的にファクタリング会社は、「独立系」「銀行系」「ノンバンク系」の3つに分類されます。

独立系とは、銀行や金融会社との関係をまったく持たず、独立してファクタリングサービスを提供する会社です。独立系の特徴としてあげられるのが、債権を現金化するまでのスピードです。独立系サービスの多くでは、即日または翌日に入金が行われます。審査も通りやすく、オンラインで完結することが多いのも特徴です。扱う債権の利用限度額は他の系列と比べて抑えられているため、中小事業者や個人事業主の利用に向いています。独立系の中でも、年間の取引実績件数の多さや拠点数の多い会社が、大手ファクタリング会社と呼ばれます。

銀行系はその名前のとおり、大手銀行・地方銀行が運営するファクタリング会社です。有名な銀行であれば信頼と実績があるため、利用をためらう必要はありません。特にメガバンクが運営する会社では、海外企業への売掛債権を買い取る国際ファクタリングといった多様なサービスを展開しています。銀行系は扱う債権の利用限度額が高く、手数料も抑えられる傾向にある点が特徴です。ただし、入金まで時間がかかり、審査も他の系列と比べて厳しいため、主に大手企業が利用しています。

ノンバンク系は、消費者金融会社・ローン会社・クレジットカード会社など、預金業務を扱わない金融会社が運営するファクタリング会社です。広告で有名な企業の多くがファクタリングサービスを取り扱っています。ノンバンク系は銀行系と同様、扱う債権の利用限度額が高い反面、現金化まで時間がかかるため、迅速な資金調達には向いていません。

ファクタリングの方式

ファクタリングには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類の方式があります。利用の前に、どちらの方式が自社・自分自身に合っているかを確認しましょう。

2社間ファクタリングにおいて、ファクタリングの当事者は売掛債権を所有する利用者と、ファクタリング会社です。売掛債権の取引先は関与しません。そのため、ファクタリングの利用を取引先に知られず、関係性を維持しやすいという利点があります。また、取引先を介さないため手続きが簡潔かつ迅速に進められるのも特徴で、中小事業者や個人事業主にとって利用しやすい方式です。

これに対し、3社間ファクタリングでは売掛債権の取引先も当事者に加わります。期日が到来した売掛債権は、取引先から直接ファクタリング会社に支払われます。前提として取引先の承諾が必要になるため時間がかかり、審査の基準も厳しい傾向です。また、個人事業主の場合、3社間ファクタリングを利用できる会社が限られるため、事前に調べておいてください。

資金調達のスピード

申し込みから入金までどれくらいの時間がかかるのかもファクタリング会社を選ぶ基準の1つです。

前項で紹介した2社間ファクタリングでは、最速で申し込みをしてから入金まで1日で終わります。総じて資金調達のスピードは早い傾向にあり、特にオンラインでの申し込みを導入しているファクタリング会社では早めです。

一方、3社間ファクタリングでは、事前に利用者から取引先への債権譲渡通知と、取引先からファクタリング会社に向けた承諾が必要なため、すべての手続きが完了するまで時間がかかります。早くても1週間程度はかかるため、急な資金調達には向いていません。

利用限度額・手数料

ファクタリングでは、会社ごとに利用限度額が設定されています。利用限度額とは、売掛債権をどの額まで買い取るかという意味です。また、利用限度額は上限だけでなく、下限を定めている場合もあります。下限が定められているときでも、複数の売掛債権を譲渡することで下限を満たせる場合があります。利用限度額がいくらになっているか、ファクタリングを利用する前に必ず確認してください。

さらに、手数料もファクタリング会社を選ぶうえで重要なポイントです。手数料は、主に売掛債権の金額に対して一定の割合を掛けたものです。2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングのほうが、手数料は低くなります。売掛債権の金額や取引先の信用度によって、手数料のパーセンテージは変化するので、Webサイト等を確認し、比較検討してください。

ファクタリング会社の利用方法

ファクタリング会社を利用するための具体的な手続きを、段階ごとに詳しく見ていきます。

1. 比較検討・見積

上記を参考にして複数のファクタリング会社を比較検討し、自社・自分自身に合った会社を探します。特に資金調達のスピードや手数料などはファクタリング会社によって異なるため、複数の見積を取り寄せてください。

2. 申し込み

主な申し込み方法として、電話・窓口・郵送・インターネットがあげられます。電話や窓口は、相談や質問をすることが可能なため、初めてファクタリング会社を利用する方におすすめです。遠方に住んでいて、近くに店舗がない場合は郵送という選択肢があります。

インターネットでの申し込みはオンラインで完結し、入金までの日数が少ないため非常に便利です。その中でも「フリーナンス for弥生ユーザー」は、会員登録から申し込み、そして入金までスピーディーなサービスを提供しています。

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3. 書類提出・審査

提出する書類は以下のとおりです。

  • マイナンバーなどの本人確認書
  • 売掛債権の請求書
  • 取引先との入金が確認できる通帳のコピー
  • 決算資料や確定申告書

他に商業登記簿謄本や、取引先との関係を示す書類の提出を求められる場合があります。必要な書類はファクタリング会社によって異なるため、必ずよく確認してください。

4. 契約・入金

必要な書類を提出し、審査が無事通過したら、契約締結に進みます。契約時には手数料・入金額など、契約書の詳細をよく確認し、不明な点がある場合は必ず問い合わせてください。さらに契約後、入金がきちんとされているかの確認も必要です。2社間ファクタリングの場合、後日取引先から売掛債権が入金されたら、利用者は速やかにファクタリング会社へ支払います。

ファクタリング会社を利用する際の注意点

悪質なファクタリング会社に騙されないために、「分割払いの有無」や「償還請求権の有無」に気を付けてください。それぞれ詳しく見ていきます。

悪質なファクタリング会社に注意する

近年、2社間ファクタリング会社の急増に伴い、悪質なファクタリング会社が増えています。日本貸金業協会や金融庁からも注意喚起がされている状態です。特にファクタリング会社を装って融資を行ったり、高額な手数料を取ったりする違法な業者には注意が必要です。

2社間ファクタリングについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。

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分割払いができない

2社間ファクタリングの場合、売掛債権の取引先から入金されたら、即座にファクタリング会社へ一括で支払います。分割払いにすると融資に該当してしまうため、貸金業の登録をしていない業者が契約の段階で分割払いを認めることは違法です。したがって、分割払いを許しているファクタリング会社は、貸金業登録をしていない限り、悪質な業者の可能性が極めて高くなります。違法な契約を結ばないためにも、必要な額の分だけファクタリングを申し込むようにしてください。

償還請求権の有無に注意する

償還請求権とは、契約後に債権が貸し倒れとなって取引先から支払われなかった場合に、ファクタリング会社が申込者に損害を請求する権利のことを指します。契約時に償還請求権ありとした場合、貸し倒れがあったら自社・自身で売掛債権を負担する必要があります。

ただし、日本国内のファクタリング契約には、原則として償還請求権は付随しません。償還請求権があると融資と見なされ、貸金業登録が必要です。契約時に償還請求権を求める会社は悪質業者の可能性が高いため、契約を断るようにしてください。

ファクタリングは「フリーナンス for弥生ユーザー」がおすすめ

ファクタリングは資金が急に必要となった場合に大変便利です。現金までのスピード、手数料、利用限度額によってさまざまな選択肢があります。現在の状況に照らして、ファクタリング会社を選ぶようにしてください。ただし、悪質な業者も増えていますので、契約内容をよく確認しましょう。

ファクタリングの利用を考えている方は、「フリーナンス for弥生ユーザー」がおすすめです。審査は最短30分で終了し、タイミングによっては即日現金化することも可能です。個人事業主・法人どちらも利用できますので、登録してみてはいかがでしょうか。

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